リスキリング（学び直し）の前に行って欲しいこと

リスキリングに「遅い」はない　転職・起業、中高年も

終身雇用にとらわれず転職・起業を前向きに考える正社員が増えてきた。キャリアチェンジの「35歳限界説」も今は昔。40〜50代の中高年が大きなステップに踏み出しているのが近年の特徴だ。長期のキャリア形成に役立つリスキリング（学び直し）術を探った。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB2489F0U3A220C2000000/

こんな記事が日本経済新聞に少し前に出ていたので読んだのですがまずは最近よく聞くこの言葉、「リスキリング」横文字を使っているだけで要は昔からある「大人になってからの学び直し」という言葉をわざわざこねくり回して作り出した言葉な訳ですが昔は35歳が転職チャンスの限界と言われていました。それは今も続いている様にも思えます。ただこの記事内では仕事をしつつ新たな資格を取得したり新たな仕事を見つけ、転職、起業などが年齢の壁を超えてくる時代になるだろうということを伝えています。

間違ってはいないが・・・

私自身、今は前職とは違った仕事を受けることも多いです。また、学び直しという枠に収まるのでしょうがIT業界への関心からスクールでの学習や資格取得に励んでおりそれは今もある種、継続の真っ只中であると思っています。しかしながら学習を行っていく中で、また転職活動の市場を見ている中でこの「リスキリング」のリスクも伝えていくことやそれを行う前に考えるべきことがあるのでは無いだろうか。そう考えることがより強まりました。

学びの先に幸福がなければならない。

学ぶということは楽しいこともあれば苦しいこともあるでしょう。その学んだ結果が自分自身の人生において豊か。これは心、人、お金、何を主とするかは人によると思いますがわざわざ学ぶというからにはそれがどんな形であれ良い方向へと進むべきだと個人的には考えています。学ぶには時間もお金もかかります。それは学ぶ学問や資格などジャンルにより程度の違いはあれ共通の問題だと考えています。
フルタイムで働き、残業を行い、家事をし、子育てを行う。生活環境はそれぞれ違うものの一人一人に事情がありながら捻出した時間とお金を掛け学ぶからこそには幸せになって貰いたいそんな気持ちを勝手に私は持っているのですが現状を見ている中で現実と言葉の乖離の激しさを感じることが歯痒く仕方がないのです。

未経験の壁

求人サイトなどを覗くと「未経験募集」そんなワードがちらほら並びます。ただ募集元の会社を見ると人材派遣の起業が多く、写真や姿を変えつつも同様の求人がだらだらと並ぶことに違和感を覚えます。
勿論、派遣会社を否定している訳ではありませんし、良い企業であることも多いのでしょう。しかしながら「リスキリング」を行う人たちは今の環境を変えたい。今と違うことに挑戦したい。そんな気持ちで学ぶ人をよく見かけます。それは簡単な言葉で表してしまうと「今の自分のスキルを捨ててでも新しい業種に飛び込みたい」そんな声と取ることも出来るのでは無いでしょうか。そこで出て来るのが「未経験の壁」です。新しいスキルを習得したにも関わらずそれを生かす環境を試す環境すら与えられない。それが今の日本の実態だと思います。先ほどの様に「未経験募集」しかし入ってみると学んだこととかけ離れた仕事に就くことになり早期に辞めてしまう。次の職がマッチしない。という負のループに入ってしまうケースも例としてよく聞きます。しかし経験者募集のところにはどれだけ学びをアピールしようと書類の時点で外れてしまう。もしくは書類を送ることすら許されない。そんな状況が続いているのでは無いでしょうか。

リスキリングの前に自分という人間を確認する。

学ぶことはとても良いことです。目標を見つけることも勿論そうです。ただ世の中の変化のスピードは良くも悪くも早い部分と遅い部分が存在します。そのギャップが埋まらない事にはどれだけ国がリスキリングなどと言う綺麗事を並べても前には進まないと思います。
その為に今、この時点でまず自分が最大限できる事、それを考えることから始めてみる。これが大切だと思います。
例えば異業種に飛び込みたい。そんな目標があったとします。ただその為に必要なのはこの国がスキルでは無く「経験」なのです。「未経験」を許されるのは新卒などの若い人材達だけというのが現状です。ではどうやってそこに食らいつくのか？潜り込むのか？それを考える時にすべきことはあなたが既に持っているスキルをその異業種で活かせないか？それを望んでいる企業は無いか？そう言ったことを考えることも一つの手段です。そうなると自分が今まで学んだこと、知識、経験を洗い出す作業をしなければばなりません。

さてどうしましょう？

方法はなんでも良いのです。ちらしの裏でもパソコンのメモでも構いません。目の前の白い紙が真っ黒になるまで書き込んで下さい。書くことは自由です。「小学生の頃の夢」「高校生の時の目標」なんでもいいのです。まず自分を知りましょう。私自身もそうですが厄介な事に人間は他人のことは分かりません。しかし自分のことも同じ様に分からないことだらけなのです。それはもうどうしようもないことです。でも知ろうとすることは出来ます。「知ろうとする」その行動があなたにとってのリスキリングだと私は考えています。「自分を考える」立派な学問だと思いますよ。（勝手なこと言ってますが）その上で積み重ねた経験とこれから積み重ねる経験を活かしてあなたが充実できる道を探すことが出来ればそのリスキリングには「意味」と「価値」が生まれます。そう信じています。