30代後半〜40代のための転職「面接」受かる答え方 著者 中谷充宏

面接を突破する為の一つの参考になる著書だとは感じる。

著者の中谷氏はキャリアコンサルタントと社会保険労務士として企業側と採用される側の両面を見てきているエキスパートなので一つの例としてこの年齢層、または50代でも一度、目を通すのも悪く無いと感じる。

構成としてはプロローグでご自身の意見を述べられ何故、落ちるのかを少し触れつつポイント1にて「面接における鉄則」を紹介されています。まずここだけ読むだけでもいいと思います。勿論、内容的には「そんなことは分かってるよ」と思う人もいるかも知れませんが実際に面接を受けられている方も復習の意味合いも込めつつさらっと流して読んでみることをお勧めします。また最新のオンライン面接や挑む前の心の持ち方などもコラムのように挟まれているのでそこを読むだけでも「あぁなるほど」が見つかるかも知れません。

面接対策がおろそかである。

まず最初に著者が断言しているのがこの点です。面接本なのでそう断言するところからしか始まらないのはそうですがSPIや職務経歴書の書き方については時間をかけるのに対して面接に対する時間の掛け方が疎かになっており勿体無いことをしていると著者は問いかけています。

とはいえ「面接対策をやっていない」と思っている人っているの?

私からすればそう考えてしまうのですが著者曰く「面接まで辿り着いているということはその人間に興味がある」という意味でありほぼ面接での受け答えが原因で勿体無いことをしているという持論を展開されています。

想定される面接官の質問に対する解答例集

皆がみんな同じ質問を受ける訳ではありませんし経歴も年齢も生活環境も全て違います。よってこのよく問われる質問への回答に対する添削が92題に渡って「何故こう変えるべきか」を交えた上で解説がなされています。特に後半の圧迫面接に対する回答例などもチェックしておくと良いと思います。その面接官の「圧迫の裏側」の意図についてを解説してくれていますので腑に落ちる部分や自分が今まで落ちた面接での返答と比較し改善点を洗い出すことに役立てることができるかと思います。

世の中には新卒の大学生に対する面接対策は書籍でもネットでも多く転がっています。市場としての規模感やその領域でのパターンや傾向が確立されているからこそ飽和しているとも言えるでしょう。また、大学生や高校生など学生は社会を知りませんので対策を徹底的に行います。それが良いかどうかは別として学校自体が就職支援に力を入れ、というよりも入れすぎて就職の為の予備校になってしまっている側面もあるでしょう。本来はこれはおかしな話ではあるのですが日本の新卒信仰から来る歪みの一つなのでしょう。とある企業の代表者は「名刺の渡し方も大学で習わない」と嘆いているような記事を目にしたことがありますが本来それは企業がすべき教育であり大学は学問を学ぶところです。企業が長く続く不況のなか人を軽く扱って来ていることの表れなのでは無いかとも私は捉えていますがこれからの時代、それでは社員は会社を選んでくれません。面接官が面接される時代が来てしまうかも知れません。

そんな中で35歳現解説が昔からある転職への年齢のハードル、転職回数のデメリットに対してどう受け答えして行き、面接官の裏を読む回答を求められている。いかにデメリットをメリットと捉えるかへのアプローチが記載されており、これから転職を検討しているこの年齢の人だけでなく他の年代にも刺さる言葉も多いのでは無いかと思います。

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ここが弱いかな?

良い面接対策例文集だとは思いますが少し私がここが足りないな。これはあくまで私の持論ですので誤っているかも知れませんが実は顧客(この場合、転職希望者)市場が求めているのは「この年齢からの異業種への転職」なのでは無いかな?と捉えることが多くなって来た気もします。特にコロナ禍やAIの発展速度など急速に変わる時代に不安を感じ、自分も今から挑戦してみたい。と捉える傾向が増えて来ている。そんな感じを私は肌で感じています。そうなってくるとこの著者の解答例は「役立たず」は言い過ぎですが手に取る書物としてはズレが生じると思います。

給与より異業種へ、特に多いのがエンジニア界隈への転職が増えて来ている気がしますが企業側もこの場合、この年齢ですと即戦力を求めて来ます。しかしスクールやハローワークの職業訓練などピンキリはありますがこれらはあくまで失礼な話、「受講させる」スクールで言えば「お金を出させる」までが重要視され実際の中身のコンテンツが実務に直結、実務レベルまで足りない。というケースが発生します。(これは私自身の経験談も含みます)

そこに対するアプローチについては解答集をみてもちょっと見当たらないのかな?というイメージを浮かべます。

また著者はエージェントサービスやキャリアコンサルタントの活用を強く押していますがそう言ったケースの場合、コンサル内容は難易度が一気に上がります。
極論、スクールに行ってそのスクールが派遣業を行なっているのでコールセンターへぶち込まれるというのであれば問題はないでしょう。(問題だらけですが・・・)

ただ、その分野に関しては著者や転職エージェントは専門外な気がしますのであくまで同業、隣接業種への転職を考える場合の参考書と捉えるべきだと読み終えて思いました。

どちらにせよロープレ

私自身、キャリアコンサルタントになる為の試験では論述や実務の試験がありましたのでロープレを何度も行いました。これは面接活動にも言えるのでは無いでしょうか。
そう言った意味での転職エージェントやキャリアコンサルタントを有効活用して欲しいと思います。自画自賛では無いですがプロですので。

まとめ

コロナ禍はまだ続き、世の中の変化はあっという間に自分を置き去りにして行きます。転職、起業、FIREなど世の中にはたくさんの貴方を惑わす言葉が溢れすぎているでしょう。そんな時に頼ってもらえるキャリアコンサルタントとして私もアップデートを心がけていかなければなとこの本を読みながら考えていました。もし少しでも気になった方はこの本を手に取ってみて下さい。

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