ビックモーターに見る歪な損保業界

トカゲのしっぽ切りで済んでいいのだろうか?

まずはじめにこれは私個人の独断と偏見であるため、誤った情報を含んでいるかもしれない点だけを先に述べておきます。その上で今回のビックモーターの事件について、保険という視点から見てどうなのだろう。それについて考えていきたいと思います。

除草剤が何かと言われるが大問題は保険金詐欺と損保会社との関係性

勿論、街路樹を無断で枯らしたことは問題外であろう、その上でそれはあくまで今回の大元の問題とはかなり話がズレるのであまり語るつもりはないです。

今回の問題、単なる保険金詐欺としても大問題ではある。特に顧客に対して修理を行ったと嘘の費用を請求し実際には傷をつけたりまるで大きな傷かのように見せかけるなどといった問題が出てきています。

しかも、問題はそれだけではない。その指導をこともあろうか保険会社側が行っていたという報道もあります。実際にすでに退陣済みの前副社長は現在の損保ジャパンに在籍経験や大手三社、東京海上、損保ジャパン、三井住友からは出向者がいたということからも知らなかったという被害者意識でいることは困難ではないかと思います。

特に関係の深い損保ジャパンはかなりの問題である可能性が高いとして出向者が少なかった東京海上や三井住友がこれを把握していなかったとはとても考えにくいのではないのではと私としては考えてしまいます。

当時、私は保険会社ではなく保険代理店に勤めていましたがお客様の事故車両の入庫ノルマというものが保険会社の各支店ごとに振り分けられており提携先のビッグモーターへの誘導件数のノルマは必然的に代理店へと降りかかって来ていました。

ちなみにこれは損保ジャパンだけではない会社の話です。このことからも明らかなビックモーターとの関係性はかなりの密な関係を大手損保会社は築いており、知らなかった。自分たちは被害者だ。という姿勢は如何なのだろうという疑問が私の中では報道などを見ていて感じます。

本当の被害者は顧客である。

今回の問題を受けて国や各省庁も動いているようですが損保会社にもきついお灸が据えられるべき事案であると私は思っています。

現状、まるで被害者のように振る舞っていますが実際には数字欲しさに見逃してきた甘い体質、身内への対応。

今回のビッグモーターに関しても内部告発がなければ損保会社とビッグモーターとの関係は続き何も知らない我々は高い保険料を払い続けていたことでしょう。また、ビッグモーターを信頼して購入や車検、保険を任せていた人たちにとっても大きな裏切りです。

なにより事故による車の損害は顧客にとっては正常な判断を鈍らせるタイミングでありいいなりのようになってしまうケースもあったでしょう。それを正しく見張り正しい価値提供を行うのがビッグモーター、代理店、保険会社の仕事でありそれを全て放棄した今回の問題はまだまだ根が深いように思えます。

一体どこまで遡るのか?それとも泣き寝入り?

自動車の保険料は事故率から損害保険料率算出機構が算出し決まります。これはどこの保険に加入していても基準となる数字となっており今回のケースの場合、自動車を所持する人、企業全てが被害者です。不当に高い保険料を払い続けていた訳になる訳ですから大問題です。しかし実際にそれを証拠として「いくらの損をこうむったか?」「誰がどれだけ?」「いつからいつまで?」結局、物理的に全てを立件することは不可能に近いでしょう。結局はうやむやのまま次から気をつけます。との言葉で保険会社は済ませ。自分たちはビッグモーターに全てを押し付けて終わりにしてしまうのかもしれません。

ただ、これを続けているようでは監督省庁はなんのために存在するのかという問題にもなります。

今回の問題は時間がかかる問題でしょう。うやむやにすることは簡単です。人は簡単に忘れます。次から次へと新しい話題に流されて消えていくかもしれません。しかしそれでは結局何も変わらないでしょう。

ファイナンシャル・プランナーとしてできること

この問題、FPとして損害保険の提案などを行っている人もいるでしょう。自分の顧客を守ることからも今後のビッグモーターだけでなく保険会社と監督省庁の動向に注視することは大切なことだと私は思います。

何ができるか?きっとそれは答えが出ないかもしれませんがFPとして出来る限りのことができるそんな人間になりたいものです。

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